安倍派幹部「裏金事件」で逃げ切り画策 “死人に口なし作戦”は通じるか…若狭勝氏の見解は

公開日: 更新日:

4800万円「裏金化」池田議員にも聴取の可能性

 しかし、果たして「死人に口なし」作戦が通じるのかどうか。少なくとも、安倍元首相が亡くなった後に行われたキックバックについては、通じないのではないか。

 22年春、会長だった安倍元首相がキックバック取りやめを提案したが、亡くなった後、夏に撤回され、キックバック継続が決まった経緯がある。当時の事務総長は西村氏だった。その後、事務総長に就いた高木氏がキックバック継続方針を引き継いでいる。

 元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士はこう言う。

「『会長案件』が事実であれば、会計責任者と事務総長経験者の共謀を問えず、無罪となる可能性も考えられます。特捜部としては『会長案件』を覆すための証拠がなければ、立件は難しい。ポイントは、22年の春から夏、キックバックの取りやめを撤回した一連の経緯です。西村前経産相が撤回を主導した可能性が浮上していますが、彼がキックバック継続を会計責任者などに強く指示していたとしたら、『会長案件』という説明は通らなくなる。特捜部はこの経緯に着目しているようです。安倍元首相が取りやめを提案した際、派閥所属の一部議員から異論が噴出したとされ、異論を唱えたのは約4800万円を裏金化した疑いを持たれ、逮捕された池田佳隆議員だったことが分かっています。特捜部は一連の経緯について、池田議員から聞いている可能性もあります」

 キックバック継続に深く関与しなかった下村氏、松野氏は“無罪放免”となるのかもしれない。しかし、事務総長経験者全員が「おとがめなし」とはならないのではないか。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  2. 2

    大阪・関西万博の前売り券が売れないのも当然か?「個人情報規約」の放置が異常すぎる

  3. 3

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  4. 4

    ヤクルト茂木栄五郎 楽天時代、石井監督に「何で俺を使わないんだ!」と腹が立ったことは?

  5. 5

    バンテリンドームの"ホームランテラス"設置決定! 中日野手以上にスカウト陣が大喜びするワケ

  1. 6

    菜々緒&中村アン“稼ぎ頭”2人の明暗…移籍後に出演の「無能の鷹」「おむすび」で賛否

  2. 7

    巨人「先発6番目」争いが若手5人で熾烈!抜け出すのは恐らく…“魔改造コーチ”も太鼓判

  3. 8

    ソフトバンク城島健司CBO「CBOってどんな仕事?」「コーディネーターってどんな役割?」

  4. 9

    テレビでは流れないが…埼玉県八潮市陥没事故 74歳ドライバーの日常と素顔と家庭

  5. 10

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ