著者のコラム一覧
重道武司経済ジャーナリスト

1957年鳥取県倉吉市生まれ。84年フジサンケイグループ傘下の経済紙「日本工業新聞」(現フジサンケイビジネスアイ)の記者となり、千葉支局を振出しに鉄鋼、自動車、総合電機、財界、金融、エネルギー(電力・石油・ガス)などの業界を担当。2000年外資系通信社に転じた後、02年からフリーに。得意分野は通信社時代を含めて在籍足掛け7年にも及んだ日銀記者クラブ時代に人脈を培った金融。自動車業界にも強い。

経団連会長企業の住友化学が巨額赤字に転落…石油化学と住友ファーマの医薬品が大苦戦

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 一方、医薬品の失速はファーマの売上高の約4割を占めていた統合失調症薬「ラツーダ」の米国での特許切れ(23年2月)が主因だ。「後発薬の普及スピードが想定より速い」(幹部)うえ、ラツーダ剥落の穴埋めを当て込んでいた前立腺がん治療剤「オルゴビクス」など3製品の拡販も思うように進まない。がん領域での新薬開発も失敗した。同事業の営業赤字(コアベース)は昨秋予想の690億円から1310億円(前期は161億円の黒字)にまで膨らむ。

 業績急降下に対応して住化では4月、現在進めている事業売却・撤退・縮小などの構造改革の追加策を打ち出す。これにより「V字回復を目指す」(岩田社長)としているが、市場関係者の見方は厳しい。

「ラービグ再建はクセ者のサウジ政府の存在が足かせ。一筋縄ではいかない。ラツーダの後継薬開発も行われているものの、成功しても収益貢献はまだ先」と金融筋。この“惨状”で構造的賃上げなどできるのか。

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