ENEOS HD(上)経営トップがまたセクハラ事件でクビ…2代連続で発覚する異例の事態
週刊誌で暴露されると、ENEOSは一転して、「重大なコンプライアンス違反」を理由にした事実上の更迭だったことを認めた。
23年2月の取締役会で人権尊重・コンプライアンスの徹底に関する取り組みのさらなる強化と再徹底を決議した。しかし、これが“絵空事”だったことが明らかになったわけだ。先頭に立って率先するべき立場の斉藤氏が真っ先にルールを破ったのだ。
同氏は1962年、熊本県生まれ。86年、早稲田大学政治経済学部を卒業し、当時の日本石油に入社。販売部門のスペシャリストで、2020年、事業会社ENEOS常務、21年持ち株会社ENEOSHD副社長と昇進を重ね、22年4月に持ち株会社と事業会社の社長に就任した。
就任会見では「今後、移動の手段が大きく変わる。とくにEV(電気自動車)を選択する顧客が増えるのに対してサービスステーションなど、社内体制をどうやって構築していくかだ。EVは充電するのに時間がかかる。電気の小売り自由化が進む。油(ガソリンなど)を売るだけでなく、ENEOS電気を売り込むことが成長のカギを握る」と述べ、水素や合成燃料向けインフラづくりに取り組む、前向きの姿勢を示していた。 =つづく