迫る史上最高値更新…新NISA高配当銘柄の注意点 “あおぞら銀ショック”が初心者を襲う
そのため“あおぞら銀ショック”で痛手を負ったビギナーも少なくない。金融ジャーナリストの鈴木雅光氏はこう言う。
「今回のように、高配当銘柄が業績悪化で無配や減配になった場合、前の水準に戻るのに数年かかることがほとんどです。業績が回復しない限り株価は長期低迷するため、しばらくインカムゲイン(配当収入)が得られず、含み損を抱えることになります。新NISAは売却益と配当が非課税ですが、損切りしても損益通算できない点も注意が必要です」
高配当銘柄は、他にどんな点に注意すべきか。
「高配当を出すということは、株価が低迷していたり成長性に乏しかったり、それだけリスクが高いことを示しています。初心者の場合、やみくもに高配当銘柄に手を出しがちですが、記念配や特別配など、その年だけ高い配当を出す銘柄も少なくありません。配当性向や株主資本配当率(DOE)のほか、直近5年程度の財務諸表をチェックして、利益剰余金がどれくらい積み上がっているかなど、最低限把握しておく必要があります」(鈴木雅光氏)
すでに1兆円を超える資金が新NISA対象の投信に流れ込んでいるという。投資をしたばかりに、虎の子を失うことだけは避けたいところだ。