中国テック企業が突如急騰! 中国株の評価が急変している
不動産バブル崩壊の影響で厳しい状況が続いている中国経済だが、今年に入り中国大手テック企業の株価が突如として高騰した。仏金融大手のソシエテジェネラルは2月末、中国の主力テック7社を米国の「マグニフィセント・セブン(壮大な7銘柄)」になぞらえて、「セブン・タイタンズ(巨人7銘柄)」と命名した。それらは①ネットサービスのテンセント②ネット通販のアリババ③スマホの小米(シャオミ)④半導体のSMIC⑤EVのBYD⑥ネット通販のJD ドットコム⑦ネットサービスのネットイースだ。
年初から3月14日までの期間でみれば、セブン・タイタンズの株式時価総額は、日本円換算で計約211兆円と、24年末と比べて約25%も増加した。一方、無敗を誇った米エヌビディアなどのマグニフィセント・セブンの時価総額は同期間に約19%減少している。こうした米中テック銘柄の逆転劇は、ウォール街もほとんど想定外だった。
中国株といえば、20年にアリババ傘下のアント・グループの超大型ⅠPOを当局が上場直前に差し止めて以降、海外投資家は中国政府の市場介入リスクを意識し、中国株式市場から海外マネーは離散していた。ところが今年初め、中国の人工知能スタートアップのディープシークが発表した低コスト・高性能の生成AIモデルが世界を驚愕させた。これによって、国家主導の中国ハイテク企業のイノベーションに半信半疑だった投資家は、中国株の評価を様変わりさせたのだ。中国政府が低迷する不動産市場に代わり、AIや半導体、自動車に力を入れ、産業構造を変革させる取り組みをしていることも評価を高めている。