営業赤字が11期続くダイドーリミテッド「還元セール」の原資は…100円配当に50億円の自社株買い
市場が「腰を抜かした」(金融筋)のも無理はない。何しろダイドーは衣料事業の不振で11期にわたって営業赤字が続く。保有不動産や有価証券売却益の計上で直近2期は最終黒字を確保したものの、25年3月期の最終利益予想はわずか0.3億円にとどまる。24年3月末時点の利益剰余金も18億円弱の水準だ。それなのに大盤振る舞いともいえる「還元セール」を仕掛けるのである。
市場関係者によると「還元原資をどう捻出するのかは謎だが、とにかく『買い』と飛び付いた個人投資家も少なくなかった」らしい。
ダイドー側の試算では還元拡大に必要となる資金は「最大で134億円」(山田政弘会長兼CEO)としている。不動産の売却益で賄う方針だが、すでに表明している千代田区のホテルと文京区のオフィスビル2物件の売却だけでは「とても足りないハズ」と事情通。
旧村上ファンドによる5.14%の株式取得も明らかになる中、中核物件である小田原市の商業施設「ダイナシティ」放出も取り沙汰されている。