「緑茶王国」静岡の生き残り戦略…海外展開に明るい兆し、1本2万円超の高級ボトル茶も話題に

公開日: 更新日:

島田市の農家は茶葉をおかずとして食べる

 小松氏が強調するように、お茶の世界は深い。まず茶葉の種類が多い。島田市でも主流のやぶきた以外に20以上の品種が栽培されている。製造過程で荒茶や出物(茎茶、芽茶、粉茶)など、異なる製造物も生まれる。さらに、火入れや蒸し方などでも茶葉の味が変わり、それぞれの茶葉も淹れ方によってまた味が変わってくる。それがお茶の楽しみでもあり、難しさでもあるが、前出の前川さんはどのようにお茶を淹れているのか。

「毎日お茶を淹れている地元のおばあちゃんたちは、おいしいお茶を淹れるのが本当に上手です。大先輩に比べると、まだまだ私は半人前ですが、私が好きなのは一番簡単な水出しです。1リットルの水に茶葉のパックと氷を入れて一晩置くとうまみが出てきます」

 前川さんによると、地元の人の中には、水出し茶を淹れた茶葉で次は温かい茶を淹れる人もいるそうだ。茶葉から抽出される成分の違いを楽しむという。その淹れた葉を食べる人もいて、新鮮な茶葉なら水出しの後に醤油をかけて。茶葉の天ぷらも好まれるという。

 暑い時季にピッタリなのが冷茶だ。濃く淹れたお茶を氷で割って飲む方法で、水出し茶とは違う。

 お茶のことを楽しそうに語る前川さんの話を聞いていると、おいしいお茶が飲みたくなる。きょうは、お茶を買って楽しもう。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • トピックスのアクセスランキング

  1. 1

    ふざけるな、石破政権もサラリーマン増税かよ!潰れたはずの「退職金課税」政府税調で再浮上

  2. 2

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  3. 3

    玉木雄一郎氏に「包囲網」…“グラドル不倫”騒動収まらず、自民・立憲・財務省で思惑一致

  4. 4

    飛び交う玉木雄一郎代表「12月辞任説」…国民民主党ついに倫理委員会で“グラドル不倫”調査

  5. 5

    ダイエー、イトーヨーカ堂…日本の小売りを支えた都市型総合スーパーが衰退した理由

  1. 6

    裏金自民「企業・団体献金の禁止」そっちのけで「個人献金の税制優遇」だあ?カネ集めのためなら“斬新策”次々

  2. 7

    斎藤元彦知事「百条委」の欠席理由「全国知事会」はそんなに重要? 自身の過去出席率は4割弱

  3. 8

    自民裏金議員12人が“ドサクサ復権”の仰天! 党役職抜擢の全員が政倫審での弁明は拒否した面々

  4. 9

    物議醸す石破首相の「座ったまま握手」は外務省の大失態! 外交デビューにミソ、元国際情報局長バッサリ

  5. 10

    1ドル=160円台の“悪夢”再来か…植田日銀「利上げは情勢次第」発言でズルズル円安に

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動