サントリーウエルネス 沖中直人社長(1)高齢者とJリーグを結ぶプロジェクトが共感を呼ぶ
サントリーウエルネスは「セサミンEX」や「ロコモア」などで知られる健康関連事業を展開するメーカーだ。連結売上高約1300億円、22期連続増収増益と、国内サプリメント市場では圧倒的な規模と成長を誇る。
沖中は主にサントリーの飲料事業における商品開発に携わり、緑茶飲料「伊右衛門」を大ヒットに導いた立役者でもある。
2020年1月、サントリーウエルネスの社長に就任した。
その11カ月後に沖中の肝いりで開始したプロジェクト「Be supporters!」が今、注目されている。
高齢者施設で過ごし、普段は周囲に「支えられる」機会の多い高齢者が、地元サッカークラブのサポーターとなって応援することで、クラブや地域を「支える」存在になっていくことを目指す活動だ。
施設で暮らす高齢者がフロアに集まり、Jリーグの試合中継を観戦したり、試合会場に足を運んだりして応援する。
サントリーウエルネスでは、応援のノウハウを紹介するガイドブックを作成、応援グッズの費用も支援している。
最初は、富山県の高齢者施設がJ3クラブ「カターレ富山」を応援するという試みから始まった。
「本当に何もないところからのスタートで、一体どうなるのだろうという感じでした」と、沖中は当時を振り返る。
施設の職員も、高齢者がサッカーに興味を示すだろうかと半信半疑だったという。