アールケイエンタープライズ 原幸雄代表(1)ブランド品リユース店「ロデオドライブ」を運営
現在、アールケイエンタープライズではブランド品の買い取り・販売店「ロデオドライブ」の運営をはじめ、質業やオークション事業、修理事業などリユースに関するさまざまな事業を展開している。しかし、法人化から2年後の1956年に原氏が生まれた時は、まだ横浜の自宅に併設された小さな店舗だったという。
「当時、横浜市内には市電が走っていて、うちは根岸橋という停留所から近い、滝頭地区の国道沿いにある少し珍しい質屋でした。誰しも品物を預けてお金を借りるところなんて他人に見られたくないですから、質屋は裏通りにひっそりとあるのが一般的。しかし、父は人通りの多い表通りに店を構えたんです」
滝頭地区は戦災を免れ、移住者が多い地域だったことから店は繁盛し、やがて伊勢佐木町商店街の近くに支店を出した。原氏が中学に上がった頃に本店を支店に統合するが、その店舗もやはり表通りにあったという。インターネットがなかった時代、認知向上のための立地戦略は重要だったのかもしれない。
「ただ、出入り口は表と裏の2カ所に設けていました。質屋を利用する事情は人それぞれ。なるべく多くのお客さまに配慮したいと、複数の動線をつくったようです。物事を多面的に見る父の経営者としての考え方には強い影響を受けています」