著者のコラム一覧
中西文行「ロータス投資研究所」代表

法政大学卒業後、岡三証券入社。システム開発部などを経て、岡三経済研究所チャーチスト、企業アナリスト業務に従事。岡三インターナショナル出向。東京大学先端技術研究所社会人聴講生、インド政府ITプロジェクト委員。SMBCフレンド証券投資情報部長を経て13年に独立。現在は「ロータス投資研究所」代表。

「103万円の壁」は年金生活者らには無縁…物価高対策は解決できるのか?

公開日: 更新日:

 連合は11月28日の中央委員会で、25年の春季労使交渉(春闘)における賃上げ目標を正式決定。基本給を上げるベースアップと定期昇給を合わせた賃上げ率は、全体で5%以上、中小企業で6%以上とした。「同一労働同一賃金」とはいえ、正社員中心の賃上げが派遣社員やパート、アルバイトにストレートに反映されるだろうか。

 企業にとって春闘の賃上げは「人件費」の増加要因で、その原資は仕入れ価格の値下げ、あるいは据え置き、販売価格の値上げだ。現在の物価上昇は、好景気のディマンドプルではなく、人件費増加のコストプッシュのインフレである。

年金生活者はほぼ無縁の「年収の壁

 政府は補正予算案を12月上旬にも今臨時国会に提出し、年内の早期成立を目指している。国会は年金生活者らに無縁の「103万円の壁」と枝葉末節の議論に明け暮れているが、これで物価高が解決できるのだろうか。

 こうした中、第2次石破内閣石破茂首相と政務三役計11人が代表を務める政治団体が、23年に飲食などの名目で1回に10万円以上を計上した事例が101件に上ることが判明、総額は計約1925万円。支出先には、庶民には無縁の料亭や高級フランス料理店が並び、同じ日付で複数の店に計100万円以上を支払ったケースもあった。割安食品を探し回り、1日1000円でやりくり、物価高で苦しむ国民は置き去りか――。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • トピックスのアクセスランキング

  1. 1

    海外勢が日本株「5兆円以上売り越し」の衝撃…日経平均5カ月ぶり4万円回復の裏に潜むリスク

  2. 2

    ダイソーは出資4億円→500億円で回収し大儲けだが…誤算は韓国市場への橋頭堡を失うこと

  3. 3

    「粉飾」倒産が過去最多更新へ…大胆かつ巧妙な手口がバレる理由は“ささいなボロ”から

  4. 4

    世耕弘成氏が自民裏金の全容を知るキーパーソンに浮上 参院政倫審で「指示を受けた」の証言相次ぐ

  5. 5

    元安倍派・豊田真由子氏が「羽鳥慎一モーニングショー」で暴露!“パー券販売”の驚愕実態にSNS震撼

  1. 6

    大阪万博チケットさっぱり売れず…1100万枚完売しないと赤字に、損益分岐点1840万枚なのに販売済み約744万枚

  2. 7

    石破政権を直撃!岩屋毅外相につきまとう「100万円」疑惑…米国発カジノ汚職で再燃

  3. 8

    犯罪成立の公算大? 疑惑の兵庫県知事選、斎藤元彦知事×メルチュ折田社長×立花孝志氏に迫る“立件Xデー”

  4. 9

    2024年で営業終了…大阪ミナミの“魔窟”「味園ビル」に魅せられた一夜

  5. 10

    企業・団体献金禁止に自民&大企業が猛反対…高級店三昧の麻生太郎・最高顧問「民主主義にはコストかかる」どの口が?

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    藤井風“エグい”と話題のNHK紅白「NY生中継」の驚きの金額 5分30秒の放送に受信料大盤振る舞い

  2. 2

    箱根駅伝で創価大も起用 ケニア人留学生の知られざる待遇

  3. 3

    松本人志の独占告白「何を聞いてもらってもいい」にツッコミの嵐…YouTubeはやらないプライドは見せた?

  4. 4

    松本人志「独占インタビュー」はテレビ復帰を遠ざけたのか…圧倒的に欠けていたものとは

  5. 5

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  1. 6

    佐々木朗希「25歳ルールを知らなかった説」…あれだけ《メジャー、メジャー》と言いながら

  2. 7

    中居正広“9000万円トラブル”で番組窮地…「今でも許せない」告発女性が反撃の狼煙

  3. 8

    ダイソーは出資4億円→500億円で回収し大儲けだが…誤算は韓国市場への橋頭堡を失うこと

  4. 9

    中居正広「申し訳ございません」ついに謝罪もSMAP再結成は雲散霧消…元リーダーが“終止符”を打つ皮肉

  5. 10

    【箱根駅伝】なぜ青学大は連覇を果たし、本命の国学院は負けたのか…水面下で起きていた大誤算