ヨンデミー 笹沼颯太社長(1)子どもの“本離れ”を食い止める今大注目の読書教育サービス
読み聞かせをやめた途端に動画とゲームに走るのは…
「多くの親御さんは読書の必要性を感じていて、9割以上の家庭で未就学児に絵本や本の読み聞かせを行っています。ところが、読み聞かせをやめると本から離れてしまう子どもが少なくない。自分で読むくらいなら動画を見たり、ゲームをしたりするほうが楽しいと思っているんですね。ヨンデミーは、そんな子どもたちに読書の楽しみ方を伝え、読書を習慣化するためのサービスです」
ヨンデミーでは「ヨンデミー先生」というAI司書が、子どもの読書レベルや好みに合った本を選書し、楽しく読むためのサポートを行う。「ヨンデミーを利用した子どもの7割以上が利用開始1カ月で『読書が好きになった』と回答。3カ月後には読書時間が倍増しています」と笹沼氏。創業して4年後の2024年5月には累計会員数が1万人を突破。現在は2万人に迫る勢いだという。
「読書を習うことに違和感を抱く人もいるかもしれません。しかし、今は塾に英会話、スポーツ、音楽、プログラミングと教育も多様化しており、限られた時間の中でお子さんに何を習わせるべきかと迷う親御さんも多い。だからこそ読書を学ぶことが大切なのです。なぜなら、大抵のことは本に書かれているから」
世の中には、英語やプログラミングの学習本もスポーツの戦術本もたくさんある。つまり、本を読めることは他の多くの学びの基本になるのだという。「読書が習慣化すれば一生の宝になります」と話す笹沼氏だが、自身はどのような読書体験をしてきたのだろうか。 (つづく)
(ジャーナリスト・中川明紀)