【駐在員が見たロシアの今】(上)間近に迫った6年に1度の大統領選…ポスターと大統領のやる気にギャップ
ウクライナに侵攻したロシアから日本を含む西側企業が撤退し、その街頭広告を見る機会も激減した。やや殺風景な冬の散歩道にアクセントを効かせるのは、無数の「志願兵募集」ポスター。昨年春にお目見えした時はぎょっとしたものの、最近では見慣れてしまった自分が逆に怖い。総動員のゼレンスキー政権が兵員不足に悩まされる一方、侵略国は志願兵だけで事足りている証拠で、長期戦でどちらにアドバンテージがあるかは明白だ。
こうした中、6年に1度の大統領選が迫り、モスクワのわがアパート周辺に一斉にポスターが追加された。といっても、候補者ごとに名前・顔写真を示すのはNG。選挙管理委員会による啓発目的の掲示物だけなのだが、このデザインがやばい。
白地に青と赤のフォントで「ロシア大統領選 2024年3月15~17日」とシンプルに記され、ローマ字で勝利の「V」マークが添えられている。ワードで作ったレベルではないかと突っ込みたくなる「やる気のなさ」で、往年の大国とは思えない。
■社会に漂う冷めたムード