膨張するカウンターに萎縮し大好きな選挙が苦行に…渋谷のマイク納めは中止
千葉県知事選(16日投開票)は終盤に入った。反社会的カルト集団と認定された政治団体「NHKから国民を守る党」(N国党)の立花孝志党首は、選挙運動の大半を兵庫県で展開している。
ラストサンデーは甲子園などで街頭演説。カウンター勢力にこてんぱんにされた。いわゆるN国信者にとって、立花は「尊師」。このままではその威厳が保てないとばかりに、週明けに再び尼崎に入った。
ところが、立花の言動を問題視するカウンター勢力は日増しに増える一方だ。最前列こそN国信者のユーチューバーが陣取ったが、2列目以降はカウンターが支配。至近距離から飛んでくる「嘘つき!」というヤジに反応し、精神安定剤化したミルクティーをガブ飲みしていた。
「負け」というヤジもよく効いた。立花は弱者を攻撃し、精神的勝利を味わう感覚に酔いしれる人間だ。支持者に強いところを見せて人気を集めているため、「負け」と言われることには敏感なのだ。立花が街頭に立つほどカウンターは戦い方を学習し、その弱点を突くようになった。
昨年の兵庫県知事選で味わったヒーロー気分には浸れなくなった。にもかかわらず、なぜ立花は兵庫にこだわるのか。夏の参院選比例代表で当選を狙っているが、おぼつかない。ここは「2馬力選挙」で支援した斎藤元彦知事の熱狂的支持者にあやかって、パワハラ告発問題で日本維新の会から離党勧告処分された増山誠県議を兵庫選挙区に擁立した方が議席を獲得しやすいと考えているからだ。