事態の進展なし…日本の選手会はメジャーにハメられたのか
入札制度はそもそも、日本の球団と選手にとってはベストではないが、ベターな制度。球団は多額の入札金を手にし、選手はFA権を取得せずに米球界でのプレーが可能になる。
それをひっくり返し、結果的に選手のメジャー挑戦の道を閉ざしかねない発端をつくってしまった日本の選手会には今、ファンやマスコミはもちろん、選手からも批判の声が出ている。先の関係者の話を聞けば、日本の選手会は「MLBにハメられた」という見方もできるのだ。
本来、事態を収めるべきMLBのロバート・マンフレッドCOO(最高執行責任者)は、メジャーの次期コミッショナーの有力候補。楽天の田中将大を獲得するためなら現行の入札制度でも構わない、という態度のヤンキースやドジャースといった金満球団の肩だけを持つわけにはいかず、「(入札金が)高額すぎて競争に加われない」と入札制度の見直しを訴える資金力に乏しい球団の意見にも、広く支持を集めるためには、耳を傾けなくてはいけない。これも事態を悪化させるひとつの原因だといわれる。
いずれにしろ、暗礁に乗り上げた田中のメジャー挑戦は、まだまだ光が見えてこない。