事態の進展なし…日本の選手会はメジャーにハメられたのか
18日のプロ野球実行委員会。出席した12球団の代表者らの多くは、徒労感に包まれていた。MLB(大リーグ機構)側から白紙に戻された新入札制度に進展はなく、先方から「数週間を要する」と通告されている修正案が出されるのを待っている現状では、額を突き合わせたところで、一両日中にMLBと連絡を取って交渉を再開することを決めるのがやっとだった。
「進展はなにもない」と、嘆息する某球団の関係者は、「選手会が話をまぜっかえしさえしなければ……」と言ってまた大きなため息をついた。
MLB、米選手会とNPB(日本野球機構)で合意寸前だった新入札制度に、日本の選手会が「NO」を突きつけたことで始まった今回の騒動。その後、軟化した日本選手会がこれを承認したものの、今度はMLB側から「日本側の返答に時間がかかりすぎた。情勢が変わった」と白紙撤回を突きつけられた。
「発端は11月2日の午前中です。MLB、米選手会とNPBとの4者で行った電話会議の最終盤、合意寸前に日本の選手会がちゃぶ台を返した。その選手会がNPBからの説明を受けて承認したのが14日。2週間弱の時間を要したとはいっても、メジャー側が『情勢が変わった』と強硬姿勢に出るほどの切迫した認識をNPBも選手会も持っていなかった。日本の選手会は今年3月のWBC出場を巡って、MLBと米選手会が利益のほとんどを得る現状は不平等だ、とボイコット騒ぎを起こした。今回、MLB側が突然、態度を硬化させた裏には、このボイコット騒動が原因だとする見方がある。日本選手会の主張の是非はともかく、MLB側からすれば権利だけを要求して商売の邪魔をする集団という認識を日本の選手会には持っている。WBCに関してはMLBと共同で運営会社をつくる米選手会も同じ認識。両者とも、日本選手会に一泡吹かせる機会を狙っていた、という話があるのです」(代理人事務所関係者)