ニューミュージックとは「戦後生まれ世代による自作自演音楽」のムーブメントだ
序論:1975年の「ニューミュージック」を今語るべき理由③
前回はタイトルにある「1975」の話をしたので、今回は「ニューミュージック」の概論を語っておきたい。
「そのときニューミュージックが生まれた」の「ニューミュージック」って何じゃらほい、という話。
その答えは、この連載の中で、具体的な楽曲を通してあらわになっていくはずだが、まず今回はニューミュージックの「概論の概論」を、世代視点から語ってみる。
すでに述べたように、ざっくりいえば「ニューミュージック」とは、「戦後生まれ世代による自作自演音楽」ぐらいの意味である。真逆のフレーズを書き下すと「戦前生まれ世代の職業作家が提供した音楽」。
例えば、筒美京平は1940年生まれ(余談ながらジョン・レノン、麻生太郎と同い年)。阿久悠はさらに上で37年生まれ(同、美空ひばり、森喜朗)。
60年代後半、グループサウンズ(GS)が一大ブームになるが、戦後生まれが多かったGSのメンバー(例:沢田研二は48年生まれ)に対し、筒美京平や阿久悠など、GSの提供曲からブレークした職業作家たちは、実は戦前生まれがほとんどだったのだ。