女子ジャンプを必死に支えてきた 渡瀬あゆみ「父娘貧乏物語」
高梨沙羅(17)のメダル取りが注目されている女子ジャンプはソチ五輪から正式種目として採用されるが、これまではマイナー競技のひとつに過ぎなかった。
選手たちは資金面での苦労が絶えず、長いこと競技を続けるのは厳しい状況だった。ナショナルチームのコーチを務める山田いずみ氏とともに女子ジャンプの草分け的存在でソチの代表候補でもある渡瀬あゆみ(29)も例外ではなかった。
父親で監督も務めていた渡瀬弥太郎氏(前日本代表女子チーフコーチ)とともに所属していたスキーチームが07年に廃部となり、親子で所属先を失った。その後は父親とともに所属先探しに奔走。同年8月には神奈川県内のクリニックに所属が決まった。11年4月にはソチ五輪での女子ジャンプの実施が決定。同年の世界選手権では7位に入るなど順調だった。
ところが、会社の体制が変わり、親子共々、所属先から支援を打ち切られた。五輪への採用が決まったとはいえ、当時はまだ女子のジャンプ選手が存在することすらあまり知られていなかった。当然、スポンサーなど見つかるはずもない。