女子プロボクシングの旗手・風神ライカは格闘家で再出発
「これからはフリーの格闘家として、キックボクシングや総合格闘技のリングに上がるつもり。キックの練習は週3回、総合も大田区の格闘技ジムに週3回ほど通ってます。ボクシングしか知らない人間ですからね。最初の頃はスパーリングでスネを軽く蹴られるだけで跳び上がるほど痛く、寝技もできなかった。だけど、できなかったことを一つずつマスターしていくのが実に楽しいんですね。今はボクサーの晩年期よりもずっと充実してるように思います」
■「自分にはゴールというものがない」
さて、3歳から高校卒業まで京都の児童養護施設「迦陵園」で過ごしたライカさんが、「自分の居場所を求めて」東京の山木ジムに入門したのは99年、23歳のとき。翌年5月にプロデビューし、JBC(日本ボクシングコミッション)未認可ながら、02年12月にWIBA世界フェザー級、06年5月にIFBA世界スーパーライト級、同年12月にはWIBA世界ライト級のタイトルを獲得し、3階級制覇を達成した。
「もちろん、タイトルは目標でした。ただ、ワタシにとってそれ以上に大切なことは、いかに自分の限界を突破していくか。それに至るプロセスが最高に好きなんです。結果、タイトルを取っても、常にチャレンジするものを見つけないと気がすまない。つまり、自分にはゴールというものがないんですね。自分が生きてるって証しをリングに刻んでいく。そのことしか考えませんでした」