プロ初勝利 中日・浜田は最後に開花した「ビッグ3」
「もう、めちゃくちゃうれしかったですね。本当に今日は助かりました。正直、何回持つかなと思っていたが…」
そう言った谷繁監督にとっては、まさにうれしい誤算だった。予告先発の川上が試合前の練習中に腰の違和感を訴え、代役を告げられたのはプレーボールの1時間前。心配された初回を3人で打ち取ると、その後は130キロ台後半のストレートとスライダー、フォークで阪神打線を翻弄。プロ初先発で6安打11奪三振。まさかの完封劇でプロ初勝利を挙げた。
「今はまだ(プロ初勝利の)実感がなくて、わけがわからない感じ。ウエスタンでもずっと中継ぎをやっていたので、まさか先発のチャンスが回ってくるとは思わなかったからうれしかったです。やっとプロの第一歩を踏み出せた」(浜田)
愛工大名電時代は、1年夏の甲子園でベンチ入りし、2年秋の明治神宮大会準優勝でプロの評価は急上昇。藤浪(大阪桐蔭―阪神)、大谷(花巻東―日本ハム)と並んで「高校ビッグ3」と呼ばれた。
他球団は高校3年時の左肩痛を嫌いドラフト上位リストから外したが、中日は2位指名。プロ入り後は制球難でライバル2人に後れを取るも、昨秋キャンプで谷繁新監督が注目。台湾のウインターリーグで厳しい内角攻めを覚え、ひと皮むけた。