桐生くん、科学なんざ信用するなよ
アメリカ・オレゴン州で22日から行われる世界ジュニア陸上へ向けて、陸連が現地まで科学委員会の分析チームを派遣して、100メートルの桐生祥秀選手(18)が日本人初の9秒台を出すかも知れぬ走りを、「科学のメス」で解析するらしい。
この競技場は追い風が吹き、タイムの出やすい条件なのだそうだ。2020年東京オリンピックの強化策に日本人初の9秒台を科学的な後押し。聞こえはいいが、どんな解析をされるんだろうなあ?
体中に電気の通る吸盤を貼り付けられ、高速度カメラで横から正面から走る姿を撮影され、同年代のジュニアライバルだと目されているトレイボン・ブロメル(米)とのフォームの違いを徹底的に比較され、「NHKスペシャル」で「メダルへ、日本人初9秒台への軌跡!」などと派手な特番を組まれるのだ、気の毒に。
非常に残酷な言い方だが、桐生君が2020年に金メダリストになるのは無理と思う。日本人初の9秒台などという大ざっぱな桁を使うのはよしてもらいたい。桐生君の期待されている記録は9秒9台。世界にゃウサイン・ボルト(ジャマイカ)の9秒58を筆頭に、9秒9台以下のタイムで疾走する選手がゴロゴロいる。彼らは日本人選手とは体のつくりが全然違う。頑張っても予選突破がせいぜい、メダルなどと無駄に騒ぎ立てるもんじゃない。