マラソン日本記録に1億円 巨額ボーナスがもたらす相乗効果
危機感の表れだろう。日本実業団陸上競技連合(実陸連)は、20年東京五輪へ向けてのマラソン強化のために、日本記録を更新した選手に1億円のボーナスを支給する方針を固めた。
マラソンの日本記録は、男子は高岡寿成が02年シカゴで出した2時間6分16秒。女子は05年ベルリンで野口みずきが打ちたてた2時間19分12秒で、今も更新されていない。
現在のマラソン界はアフリカ勢の独壇場だ。男子は2時間2~4分、女子でも20分前後で走る選手はゴロゴロ出ている。
日本は、2月の東京で7位の今井正人(30)が3年ぶりの7分台を出したと騒ぎ、女子は先週の名古屋で3位の前田彩里(23)が8年ぶりの22分台をマークしただけでマスコミも浮かれている。00年シドニー大会の高橋尚子、アテネ大会の野口と2大会連続で五輪金メダルを取った時代は遠い昔。「東京五輪は男女とも8位入賞さえ難しい」という声が陸上界の中にも少なくない。
そこで、国際大会で活躍できる選手の育成・強化により、陸上界の発展に寄与することも目的としている実陸連が金庫を開けるわけだが、ある関係者は「現状を考えれば最も効果的かもしれません」と言ってこう続ける。