ゴルフ評論家が異論「全米オープンの会場はふさわしくない」
今年の全米オープン会場は2030年大会を開催するため、8年前につくられたパブリックコースだ。最近の全米オープンはゴルフを広く普及させるためにトーリーパインズ、ベスページといったパブリックコースでも開催している。
それはそれで結構なことだとは思う。しかし、まだ10年もたっていない若いコースでどうして開催するのか疑問に思っていた。全米オープンの開催コースは何年も前に決まっているはずなのに、急きょチェンバーズベイGCに決まったのは、ウィングドフットGCなど名門コースが辞退したからだといわれている。
テレビで見る会場は一見リンクス風のコースであるが、フェアウエーは干ばつで芝がやられてしまったかのようなひどい状態だ。グリーンはまだら模様で、それはポアナ芝が原因といっているけれど、日本ではスズメノカタビラといって、もっとも嫌われている雑草だ。
チェンバーズベイの芝はフェアウエーもグリーンもすべてスコットランドから輸入したリンクス特有のフェスキューだ。
しかしグリーンはスズメノカタビラにやられてしまって、テレビで見ていてもでこぼこだらけ。
そもそもゴルフは不確定要素の多いゲームといわれているけれど、コースが整備されていない大昔の試合を見ているようだ。一般アマチュアが遊びでやるゴルフならともかく、全米オープンをこんなコースでやってはいけない。
(菅野徳雄/日本ゴルフジャーナリスト協会顧問)