新大関・照ノ富士は? 昇進後は弱いモンゴル力士のジンクス
5月場所で優勝し、大関に昇進した照ノ富士(23)。12日開幕の7月場所では横綱白鵬の1強時代に終止符を打つことが期待されるが、一抹の不安がないわけでもない。
というのも、モンゴル人力士は「昇進後は弱い」からだ。一時代を築いた朝青龍、白鵬はともかく、日馬富士、鶴竜の成績を見れば一目瞭然。いずれも大関昇進直後は8勝7敗と、勝ち越すのがやっとだった。
常に優勝争いに加わらなくてはいけない大関としての重圧に加え、スポンサーやタニマチから座敷の誘いも増える。加えて、ある角界OBは「日馬富士と鶴竜に共通していたものがある」と言う。
「いわゆる、『借りたもの』を返したからでしょう。そもそも、この2人は昇進がかかっていた場所だけ無類の強さを発揮している。特に顕著なのが横綱昇進直前。日馬富士は2場所連続全勝優勝、鶴竜も2場所続けて14勝1敗です。これだけ強い力士が昇進後は平幕にもコロコロ負ける。それで疑惑の目を向ける人間が少なからずいたわけです」
照ノ富士も同郷だけに懸念があるものの、少なくとも今場所だけ見れば「返すもの」はない。日馬富士とは同部屋のため対戦はなく、白鵬には先場所負けている。2場所連続休場した鶴竜とは1月場所で土をつけられているのだ。
ダメ横綱の先輩2人と違って、かねて「大物になる」と言われていた照ノ富士。引き相撲の悪癖と粗っぽさが残るとはいえ、日本人のガチンコ力士が多い現在の土俵で優勝したのだから実力は折り紙付き。2場所連続優勝もありそうだ。