甲子園群馬代表最右翼 健大高崎「機動破壊」の落とし穴
11年夏の初出場以来、春夏通じて甲子園の土を踏むこと4度。一躍、常連校の仲間入りを果たした群馬の健大高崎は、ベスト4が1回、ベスト8が2回で全国の強豪校からマークされる存在になった。春夏連続出場を狙う今夏も、群馬大会優勝候補の最右翼であるのは間違いない。
最大の特徴は、野球部の指針でもある「機動破壊」。積極果敢な走塁で相手を圧倒するという意味で、昨夏の甲子園で記録した1試合11盗塁、4試合計26盗塁の機動力は確かに圧巻だった。
「なにしろ、練習試合では『塁に出た走者が3球以内に盗塁しなければ即交代』という方針ですから徹底しています。しかし、青柳監督が『機動破壊で全国制覇を狙う』と宣言した今春のセンバツは準優勝した東海大四に準々決勝で敗退。『機動破壊』というより、『暴走自滅』というシーンが目立ちました。有名になった『機動破壊』はライバル校からかなり研究されている印象。それに合わせて、無死一塁で一塁走者が牽制に飛び出して憤死、次打者が本塁打で得点するというような雑な野球が目立つようになっています」(アマチュア野球担当記者)
機動力と同様の積極的なスカウトで近県はもちろん、大阪や九州・沖縄からも部員が集まる。個々の選手のレベルは高いが、それも粗っぽい野球につながっているとの指摘もある。