世界陸上男子マラソン 日本勢は順位より「1億円」狙い
9日に閉幕した世界水泳、男子400メートル個人メドレーで日本勢初の連覇を達成した瀬戸大也(21)は、日本水泳連盟のオフィシャルパートナー(GMOクリック証券)から金メダルの報奨金500万円を授与され、優勝賞金2万ドル(約250万円)と合わせて750万円を手にした。
報奨金といえば、22日に開幕する世界陸上北京大会のマラソンも注目競技のひとつだ。日本実業団陸上競技連合は3月末に、マラソン強化プロジェクトの創設を発表。日本記録(男子2時間6分16秒、女子2時間19分12秒)を更新した選手には報奨金として1億円を支給。同時に監督にも5000万円が授与される。
これは、2020年の東京五輪へ向けての強化策の一環だが、このプランのおかげで低レベルの選手は鼻息が荒くなり、ファンの関心が高まったのは事実だ。
22日現地7時35分(日本時間8時35分)号砲の男子マラソンには、前田和浩(34)と藤原正和(34)が出場。前田の持ちタイムは2時間8分0秒。藤原は2時間8分12秒だ。
コースは08年北京五輪とほぼ同じ。08年五輪ではケニアのサムエル・ワンジルが2時間6分32秒で優勝。このタイムでは日本記録は更新できないが、世界陸上や五輪ではタイムより勝負が優先されるため、有望選手はレース中の駆け引きでタイムが遅くなるのが常だ。日本選手は4月の現地視察で、大気汚染や路面の硬さを体感。大気の汚れは大会に合わせてかなり抑えられているそうだし、路面対策は万全というから、こちらは順位より、ひたすら「1億円」を求めて死ぬ気で走れば、予想外のタイムが出るかもしれない。