世界柔道メダル量産 日本男子復調の裏に井上監督の意識改革
日本柔道が復権の兆しを見せた。30日の世界柔道(カザフスタン・アスタナ)最終日は男女団体を行い、日本は男女とも優勝。男子は2連覇、女子は2大会ぶりの頂点に立った。これで今大会の男子は個人、団体で合わせて8個(金4)のメダルを獲得して幕を閉じた。
最終日を終えて総括した全日本柔道連盟の山下泰裕強化委員長は「日本の弱点だった階級で若い選手が頂点に立った。(リオ五輪では)どの階級でも(メダルを)狙える」と話した通り、男子100キロ級の羽賀龍之介(24)、同81キロ級の永瀬貴規(21)、女子78キロ級の梅木真美(20)は初優勝。男子100キロ超級では七戸龍(26)が銀メダルを獲得するなど、男女とも中量級以上で結果を残した。
あくまでも本番は来年のリオ五輪だが、男子がメダルラッシュに沸いたのはロンドン後から指揮を執る井上康生監督(37=シドニー五輪100キロ級金)の手腕は無視できない。
ロンドンで史上初めて金メダルなしに終わった篠原信一前監督の後を受けて就任した井上監督は代表チームの抜本的な改革に着手。井上監督はまず、代表候補選手の間で蔓延していたぬるま湯体質からの脱却を図った。国内でのライバル意識を植え付けるため、合宿や遠征などの宿舎は同じ階級の選手の相部屋を禁じた。