高橋由に「原野球の継承」を押しつける巨人に権藤博氏が苦言

公開日: 更新日:

 球団が、そんな指揮官に最大限の敬意を表し、「原野球の継承」と口にするのは理解できるのだが、それを高橋由新監督に押しつけるのはまた違う話だ。原野球をそこまで評価しているのなら、原監督に続投してもらえばいいだけのこと。40歳の高橋由伸というフレッシュな人材をトップに据え、チームに新風を吹き込んで、また違ったジャイアンツを一から構築するのが監督交代の目的ではないのか。だったら、「原野球の継承」などと言って、やる前から新監督を縛り付けてどうするんだ。やりたいようにやってください、そのためのバックアップは惜しみません、というのが高橋由に対する誠意である。

 今季から兼任コーチを務めていたとはいえ、高橋由には指導者経験が皆無と言っていい。それに対する不安が球団にはあるのだろう。私の結論を言えば、余計な心配をしなさんな、だ。コーチ歴の多寡は、監督としての能力を評価する物差しにはならない。指導者として30年近いキャリアのある私が言うのだから間違いない。今も昔も、指導者として長くユニホームを着ている人間は、傑出した能力があるか、突出したイエスマンかのどちらかだ。残念ながら、後者の方が少なくないのが実情である。

 高橋由は都合12年間も原監督とともに野球をやって、いいところも悪いところも吸収しているはず。そこに自分のエッセンスを加えて、由伸流をつくればいいし、その感性が彼にはあると思う。

(野球評論家)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    大谷の今季投手復帰に暗雲か…ドジャース指揮官が本音ポロリ「我々は彼がDHしかできなくてもいい球団」

  2. 2

    センバツVで復活!「横浜高校ブランド」の正体 指導体制は「大阪桐蔭以上」と関係者

  3. 3

    ドジャース佐々木朗希の肩肘悪化いよいよ加速…2試合連続KOで米メディア一転酷評、球速6キロ減の裏側

  4. 4

    PL学園から青学大へのスポ薦「まさかの不合格」の裏に井口資仁の存在…入学できると信じていたが

  5. 5

    阪神・佐藤輝明「打順降格・スタメン落ち」のXデー…藤川監督は「チャンスを与えても見切りが早い」

  1. 6

    ソフトB近藤健介離脱で迫られる「取扱注意」ベテラン2人の起用法…小久保監督は若手育成「撤回宣言」

  2. 7

    巨人・坂本勇人2.4億円申告漏れ「けつあな確定申告」トレンド入り…醜聞連発でいよいよ監督手形に致命傷

  3. 8

    「負けろ」と願った自分を恥じたほどチームは “打倒キューバ” で一丸、完全燃焼できた

  4. 9

    巨人・坂本勇人は「最悪の状態」…他球団からも心配される深刻打撃不振の哀れ

  5. 10

    佐々木朗希よ…せめてあと1年、吉井監督の下で準備期間を過ごせなかったのか。メジャーはそんなに甘くない

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  2. 2

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  3. 3

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    大河ドラマ「べらぼう」の制作現場に密着したNHK「100カメ」の舞台裏

  1. 6

    フジ調査報告書でカンニング竹山、三浦瑠麗らはメンツ丸潰れ…文春「誤報」キャンペーンに弁明は?

  2. 7

    フジテレビ“元社長候補”B氏が中居正広氏を引退、日枝久氏&港浩一氏を退任に追い込んだ皮肉

  3. 8

    下半身醜聞ラッシュの最中に山下美夢有が「不可解な国内大会欠場」 …周囲ザワつく噂の真偽

  4. 9

    フジテレビ第三者委の調査報告会見で流れガラリ! 中居正広氏は今や「変態でヤバい奴」呼ばわり

  5. 10

    トランプ関税への無策に「本気の姿勢を見せろ!」高市早苗氏が石破政権に“啖呵”を切った裏事情