東京マラソン惨敗…日本男子の“粘り走法”はもはや時代遅れ
■7位まで海外招待選手が独占
それにしても、26位の村山は「やせ馬の先走り」に終わったとはいえ、初マラソンで積極的に先頭集団についていった走りは評価できるし、見ている者に低迷する国内の男子マラソンに可能性を感じさせてくれた。
タイムは度外視で、メダルだけを狙う五輪にペースメーカーはいないため、レース展開はまったく読めない。それでも序盤から有力なアフリカ勢についていかなければ話にならない。実力差があると言ってしまえばそれまでだが、この日は7位まで海外招待選手が独占し、第2集団を形成していた日本選手は一人も上位に食い込めなかった。
粘り強い日本選手は、「息切れして落ちてくる選手を1人ずつ拾っていく走りが向いている」といわれてきた。もはや、そんな戦略は時代遅れだ。少なくとも、35キロぐらいまでアフリカ勢について走れるだけの体力、スピードを身につけないと入賞どころか、15位以内だって無理だろう。
それを実現できるのは、既成概念にとらわれない若い指導者と、これから本格的にマラソンを始める若い選手たちである。