「ドーピングはシンクロにも」 井村HC“暴露”発言の狙い
水泳界でも問題視されているドーピング問題は何も競泳だけに限った話ではない。他の水泳種目でも禁止薬物が使用されているという。
ここに来てロシアと中国の競泳選手によるドーピングが相次いで発覚。ロシアでは昨年の世界選手権女子100メートル平泳ぎ金のユリア・エフィモワが、持久力を高めるメルドニウムに陽性反応を示すなど多くのトップスイマーが資格停止処分を科される見込みだ。
そんな水泳界に蔓延するドーピングについて「シンクロにもありますよ」と暴露したのは日本代表の井村雅代ヘッドコーチ(HC)だ。
28日に東京五輪組織委員会のスポンサー契約会見に選手とともにゲスト出演した井村HCによれば、シンクロはメンタルが結果を左右する種目だけにステロイドなどの筋肉増強剤ではなく、興奮剤を使用するケースもあるという。
実際、04年アテネ五輪を前にロシア代表選手の禁止薬物使用が明らかになった。井村HCは実名を明かさなかったが、当のロシア選手は五輪開幕の2カ月前に処分が解除されて、アテネ大会に出場したそうだ。
五輪では4大会連続2冠(チーム、デュエット)のロシアはリオでもダントツの金メダル候補。井村HCは「そんなことで勝ってもうれしくない」と話したが、リオでは強豪国の失格によって日本が恩恵を受けるケースもあるかもしれない。