「五輪金で全メジャー出場可」掲げたマスターズ委の焦り
112年ぶりの五輪復活はゴルフ人気回復の千載一遇のチャンスであり、世界ゴルフ界のリーダーを自任するマスターズ委員会にとって、人気プロ不在で五輪ゴルフの失敗は許されないのだ。もし盛り上がらなければ、2020年の東京五輪を最後にゴルフは再び消えてしまうことになる。だからこそ、マスターズ委員会が必死になっているのだ。
■リオ五輪には相当な不安か
米ゴルフ事情に詳しいゴルフライターの吉川英三郎氏がこう言う。
「マスターズ委員会と他の3団体(全米ゴルフ協会、全英ゴルフ協会、全米プロゴルフ協会)では格が違います。何しろ全米ゴルフ協会会長が退任後にようやくマスターズの委員になれるほど、超がつくエリート揃いですから、マスターズ委員会は世界ゴルフの頂点に立つのです。そのマスターズ委員会が、五輪金メダルにメジャー出場資格という付加価値をつけたのですから、リオ五輪に不安を持ち、相当焦っているのかもしれません」
しかし金メダルを獲得するだけの実力があれば、世界ランク上位でメジャー出場の常連であり、ウマミはない。トッププロの出場意欲をかき立てさせるには物足りないはずだ。それでも何かアクションを起こさなければいけない理由がある。