“負けず嫌い”が災い アスリートにギャンブル依存多い理由
■刺激や達成感は競技と一緒な面も
確かにサラリーマンでも、パチンコや競馬にドップリ漬かる者はいるし、借金で会社の金に手を出す輩もいるにはいる。「でも、もろもろの要因から、男子のスポーツ選手は一般の人よりギャンブル依存になりやすい」というのは、社会心理学者で新潟青陵大学大学院教授の碓井真史氏だ。
「勝負の世界に生きるスポーツ選手は、そもそも勝ち負けの世界が好きで、負けず嫌いです。勝つことへの欲望が強く、よく験を担ぐ。例えば、『今日はラッキーカラーを身に着けているから、絶対勝てる』という考えは、ギャンブルにのめり込む下地になる。さらに、普通のサラリーマンより自由になるお金も多い。大きな試合で、我々が想像もできないような刺激や達成感を味わっている彼らからすれば、1万円が5万円になるぐらいでは興奮しないでしょう。当然賭け金は多くなっていく。当たれば大金を手にできるし、興奮度は高い。その感覚が忘れられなくなる。麻薬と同じです。逆に負けが込めば数百万、数千万円を失うが、このころにはお金はゲームをするためのコインと同じように現実感覚が薄れてくる。闇賭博ではいいカモにされます」