終盤失速の原因? リオ陸上400mジュリアンに筋トレ禁止令
「リオではレベルの高いところに挑戦したい」――。
先の日本選手権でリオ五輪出場を決めた陸上男子400メートルのウォルシュ・ジュリアン・ジャミイ(19)が28日、在籍する東洋大の壮行会に出席。日本記録(44秒78)の更新と決勝進出を目標に挙げた。
日本人初の9秒台が期待される男子100メートルの桐生祥秀(20)とともに約600人の在校生による激励を受けたジュリアンは、「(日本記録は)普通に破れると思います。会場の雰囲気と周りの選手についていけばファイナリストになれる」と自信たっぷりに話した。
短距離王国として知られるジャマイカ人を父に持つジュリアン。父親譲りの天性のスピードとバネで大器と期待されるが、現時点ではまだその片鱗が見えない。最終100メートルでの失速が響いてタイムを伸ばせないケースが少なくないのだ。
恵まれた身体能力を生かし切れていないのは、スタミナ不足に加えて、実は肉体的にも「欠陥」があるからだという。
本人が「趣味は筋トレ」と公言するように、その肉体はボディービルダーのように鍛え抜かれている。日頃から自らの体を鏡で見ては悦に入っている筋肉オタクだ。全身をバランス良く鍛えているものの、短距離走ではそれほど重視されない胸や肩の筋肉をつけ過ぎたこともタイムが伸びない原因の一つになっている。筋骨隆々のジュリアンを見た東洋大陸上部短距離部門の土江寛裕コーチから筋トレを禁止されたほどだという。
ジャマイカ人ハーフはスタミナ強化はもちろん、考え方も変える必要がありそうだ。