“不敵な男”本領発揮 大野将平が一本勝ちラッシュで「金」
誇らしげな表情で表彰台の真ん中に立った。
8日(日本時間9日午前)に行われたリオ五輪男子柔道73キロ級決勝。日本柔道界が待望した金メダルを胸に下げた大野将平(24)は、「やっと安心できました。ホッとした」と小さく息を吐いた。
初戦となった2回戦から圧倒した。足技で相手を崩すと、崩れけさ固めで一本勝ち。続く3回戦は得意の内股を鮮やかに決め、準々決勝は序盤の腰車で技ありを奪って危なげなく逃げ切った。
「最低でも優勝。最低でも金メダル。圧倒的な強さを見せつけたい」
代表に決まって以来、強気なコメントを繰り返した大野は、メダルの重圧を一身に背負った。井上康生男子監督には今大会7代表の中で「一番金メダルに近い男」と期待され、関係者は「大野でダメならロンドンの二の舞い」と口を揃えた。前回五輪で日本男子は、柔道が競技採用された64年以来初となる金メダルなしに終わった。屈辱を晴らすのは、13年と昨年の世界選手権を制した大野しかいない──そんなプレッシャーをしかし、ものともしなかった。