重圧以外にも要素数々…吉田沙保里はなぜ五輪V4を逃した

公開日: 更新日:

 試合終了のホイッスルが鳴ると、顔を覆ってマットに崩れ落ちた。

 リオ五輪女子レスリング53キロ級決勝が18日(日本時間19日)に行われ、五輪3連覇中だった吉田沙保里(33)がヘレン・マルーリス(24=米国)に1-4でまさかの敗退。前日の同58キロ級・伊調馨に続く五輪4連覇が泡と消え、表彰台でも嗚咽が止まらなかった。

 吉田の五輪、世界選手権を合わせた連覇記録は「16」でストップ。試合後、スタンドで観戦する母・幸代さん、兄・栄利のもとに顔をクシャクシャにして歩み寄った吉田は「ごめんなさい。お父さん(栄勝さん=享年61)に怒られる」と声を振り絞るように話したという。

 吉田は表彰式後、「最後の最後で銀メダルに終わるとは思わなかったです。悔しいです。みんなが打倒吉田で来るのは分かっていたけど、最後に落とし穴にはまるとは思わなかった」と泣きじゃくり、何度も「ごめんなさい」と繰り返した。

 まさかの敗戦には前日に48キロ級で金メダルを獲得した登坂絵莉も号泣。伊調も呆然とした表情で色の違うメダルを手にする吉田を見守った。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    岡田阪神は「老将の大暴走」状態…選手フロントが困惑、“公開処刑”にコーチも委縮

  2. 2

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  3. 3

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  4. 4

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  5. 5

    中日・根尾昂に投打で「限界説」…一軍復帰登板の大炎上で突きつけられた厳しい現実

  1. 6

    安倍派裏金幹部6人「10.27総選挙」の明と暗…候補乱立の野党は“再選”を許してしまうのか

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    79年の紅白で「カサブランカ・ダンディ」を歌った数時間後、80年元旦に「TOKIO」を歌った

  4. 9

    阪神岡田監督は連覇達成でも「解任」だった…背景に《阪神電鉄への人事権「大政奉還」》

  5. 10

    《スチュワート・ジュニアの巻》時間と共に解きほぐれた米ドラフト1巡目のプライド