実績では金本監督に匹敵 MVP受賞の新井に“広島監督”の目
「今年一年、まさか、まさかと言われ、最後にまさかこの賞をいただけるとは考えてもなかった。取らせてもらった賞なので、ガッツポーズはできません」
最年長でセ・リーグMVPに輝いた広島の新井貴浩(39)は、マイクの前で謙虚にこう言った。
古巣に戻って2年目の今季は、132試合に出場し、打率.300、19本塁打、101打点の堂々たる成績で25年ぶりの優勝に貢献した。一部には、引退を表明した黒田(24試合、10勝8敗、防御率3.09)を推す声もあったようだが、新井のMVP獲得に異論を唱えるものはいないだろう。
新井はこの「勲章」を手にしたことで、尊敬する金本監督にほぼ肩を並べたといえる。
新井は05年に広島で43本塁打を記録して初タイトルを獲得すると、07年オフにFA移籍した阪神でも打点王(93)になった。今季は4月に2000安打も達成。広島優勝の立役者の一人となった。
新井が慕ってやまない広島OBの金本監督も、03、05年に阪神優勝の原動力となり、05年にはMVPにも選ばれた。タイトルは04年の打点王だけだが、08年には2000安打も記録している。