“花の2区”区間賞 名将も太鼓判押す神大・鈴木の伸びしろ
「久しぶりにいいランナーが出てきましたね」
箱根駅伝往路2区(23.1キロ)を歴代8位の時計(1時間7分17秒)で走り抜け、区間賞を獲得した神奈川大の鈴木健吾(3年)。その走りを見て目を細めたのが、順大陸上部名誉総監督の澤木啓佑氏(元日本陸連強化委員長)だ。
澤木氏は、箱根駅伝4連覇(86~89年)を含む9度の優勝を成し遂げた名将。現在は日本学生陸上競技連合の副会長を務める。今年8月のユニバーシアード(台北)に向けた長距離強化施策のひとつとして、鈴木も出場した昨年11月のオランダでの15キロロードレースの選手団を引率した。海外初レースとなった鈴木は、男子日本勢のトップの8位(44分18秒)でゴール。その直後、「鈴木は箱根の2区で区間賞を取るかもしれんぞ」と周囲に漏らしていた。
そんな澤木氏が、鈴木の走りや今後の可能性についてこう言った。
「(2区の走りには)まだ余裕があった。もっと果敢に攻めることができたと思うが、昨年は区間14位だったので慎重になったのだろう。多くのランナーは地面を蹴る際、右足か左足が外へ逃げてしまう。鈴木にはそれがなく、キック力が合理的に推進力になっている。上り下りにも対応できるし、まだまだ伸びるでしょう。本当に楽しみですよ。体が小さい(163センチ、45.5キロ)? そうだね。(神大の大後)監督には、もう少し胸板を厚くするといいですよと言いました」
ちなみに、急成長の鈴木の初マラソンは来年の東京を予定しているという。20年東京五輪に間に合うか……。