選手任せで一発頼み 小久保侍Jの限界が阪神戦ではっきり
重たい試合だった。
日本代表の1次ラウンド初戦は7日のキューバ戦。残る強化試合は、5日のオリックス戦のみ。調整は最終段階を迎えていなければならないところなのに、「状態が上がるのを待つしかない」と相も変わらず選手頼みの野球をしているのが小久保監督だ。
計7安打で2得点。阪神に負けた事実より、問題は一発頼みの試合内容だろう。
四回は、1死一、二塁とするも4番の筒香が三ゴロの併殺打。六回も先頭の松田が遊撃への内野安打で出塁しながら小林がバントを決められずチャンスを生かせなかった。
日本代表の得点は七回、2死走者なしから中田がレフトポール際に放ったソロ本塁打と八回1死二、三塁から菊池の投ゴロの間に追加した1点の計2点だけだった。
■「打者からつなぐ意識が見えない」
試合を見ていた評論家の黒江透修氏は「今回のチームは心配ですよ」と言ってこう続けた。
「打線はつながらないというより、各打者からつなぐ意識が見えない。走者を進める打撃をしたのは八回無死一、二塁の青木の二ゴロだけ。六回無死一塁でバントができずに三振した小林も、1つのミスが命取りになるという意識がまったく感じられない。情報が少ない相手との短期決戦は『打てば勝ち、打てなければ負け』というわけにはいかない。中軸だろうが、下位だろうがつなぐ意識が勝敗を分ける。だから、実際にやる、やらないは別にして、4番にも『バントやエンドランのサインを出すぞ』と伝えて、練習させておくべきです。元巨人監督の川上(哲治)さんは、優勝争いしている時、ON(王、長嶋)にも『バントがあるかもしれんから、練習だけはしておいてくれ』と言って、やらせていた。いくらプロでも、日頃練習していないことを大事な試合で成功させることは難しいですから」