稽古で醜態 強行出場前向き稀勢の里に「休む勇気を」の声
「強い横綱」の姿はそこにはなかった。
30日に行われた二所ノ関一門の連合稽古。横綱稀勢の里(30)が、不甲斐ない相撲で周囲を落胆させたのだ。
先場所初日に不覚を取った嘉風と三番稽古を行うも、翻弄されっぱなし。左を差せないと何も出来ず、後手に回る展開を強いられた。3月場所で負傷した左上半身が治りきっていないのか、左腕を使った時は顔をしかめる場面もあった。
本人も終始、苛立った様子で、
「また明日、修正する」
と報道陣にもロクに話そうとせず、帰りの車に乗り込んだ。
本人は7月場所出場に前向きだが、相撲評論家の中澤潔氏は「潔く、休場すべきです」と、こう話す。
「横綱が本場所に出る以上は、ファンの期待に応えるのが義務。つまり、『横綱としての相撲』が取れなければ意味はありません。もし、稀勢の里が『横綱としての体面が……』という理由で休場しないのならば、それは思い違いもいいところ。横綱は成績にかかわらず、地位が降格することはない。休場して治療に専念することは、横綱に許された権利です。稀勢の里には、休む勇気を持って欲しい」