入門3年目で初金星 北勝富士は現役きっての理論派力士
相撲記者は「現役きっての理論派力士です」と、こう続ける。
「劣勢になっても、そこから立て直すのがうまい。一つ一つの攻めが緻密というか、理詰めなんです。日常の稽古以外のトレーニング方法や体の使い方なども独学で学んでおり、『これは』と思ったものは取り入れている。大学時代は『稽古ノート』を付け、その日の稽古の反省や注意された点などを書き込んでいた」
力士は本場所で負けると口が重くなるものだが、北勝富士は例外。なぜ負けたかの敗因分析も順序立ててしっかり説明し、周囲から「そこまでわかってるなら勝てよ」と苦笑いされることもしばしばだ。
地元での人気は高く、今年6月には所沢警察署で一日警察署長を務め、パレードには1000人ものファンが詰め掛けたほど。ツイッターでの近況報告では土俵上の厳しい表情とは打って変わって、人懐っこい笑顔を見せている。
ライバルはやはり新進気鋭の御嶽海。将来は彼らが頂上決戦を行うようになるかもしれない。
▽ほくとふじ・だいき
●本名は中村大輝
●1992年7月、埼玉県所沢市出身
●183センチ、163キロ
●最高位は西前頭2枚目
●大師匠の北の富士からは中継で辛辣なコメントをされることが多いが、期待の裏返しだともっぱら