伊調パワハラ問題の背景 東京五輪で激化する教え子争奪戦

公開日: 更新日:

「コーチ論」の著書があるノンフィクション作家の織田淳太郎氏が言う。

「日本の女子レスリングの育ての親ともいえる栄氏は、6人の金メダリストを育て上げ、レスリング界の『天皇』のようになってしまったのかもしれません。伊調がどこで、誰の指導を受けようが、結果を残せばレスリング界にとっては喜ばしいことなのに、マスコミで報じられている言動は、選手の成績より、自分の立場を優先しているように思える。スポーツのコーチは脇役に徹するべきで、周囲に実績を持ち上げられて勘違いし、主役になったらトラブルになるケースが多いですね」

 スポーツファンの菅野宏三氏(ビジネス評論家)は、「他の競技でも似たような事件が起こるかもしれない」といってこう続ける。

東京五輪の注目度は、他国開催の五輪とはケタ違いです。選手にとっては代表になるか否か、メダルが取れるか取れないかは、その後の人生を左右すると言っても過言ではない。指導者にとってもそれは同じでしょう。教え子のメダルの色や数は、所属する競技団体での地位を上げ、講演やテレビ出演の数、本の出版などにも影響する。有望な選手はなるべく自分が抱えておきたいのは当然です。そればかりか、ちょっと教えたことがある選手がメダルを取れば『アイツはオレが育てた、助言した』という指導者が出てくるのではないか」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    三浦大知に続き「いきものがかり」もチケット売れないと"告白"…有名アーティストでも厳しい現状

  2. 2

    「とんねるず」石橋貴明に“セクハラ”発覚の裏で…相方の木梨憲武からの壮絶“パワハラ”を後輩芸人が暴露

  3. 3

    サザン桑田佳祐の食道がん闘病秘話と今も語り継がれる「いとしのユウコ」伝説

  4. 4

    松嶋菜々子の“黒歴史”が石橋貴明セクハラ発覚で発掘される不憫…「完全にもらい事故」の二次被害

  5. 5

    NiziU再始動の最大戦略は「ビジュ変」…大幅バージョンアップの“逆輸入”和製K-POPで韓国ブレークなるか?

  1. 6

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  2. 7

    下半身醜聞の川﨑春花に新展開! 突然の復帰発表に《メジャー予選会出場への打算》と痛烈パンチ

  3. 8

    モー娘。「裏アカ」内紛劇でアイドルビジネスの限界露呈か…デジタルネイティブ世代を管理する難しさ

  4. 9

    伸び悩む巨人若手の尻に火をつける“劇薬”の効能…秋広優人は「停滞」、浅野翔吾は「元気なし」

  5. 10

    小松菜奈&見上愛「区別がつかない説」についに終止符!2人の違いは鼻ピアスだった