宇佐美貴史<上>1対1で相手に勝つために肉体改造を徹底
もともとドリブル突破からの得点は、宇佐美のストロングポイント。中学2年で出場した2006年高円宮杯全日本ユース決勝での5人抜きゴールなどモンスター伝説には事欠かない。それをA代表でどう表現するのか? 世界を相手に1対1で勝つために何が必要か? 模索し続ける日々である。
その解決策のひとつが肉体改造――。ハリルホジッチ前監督に「高い」と指摘された体脂肪率を下げ、併せて体重を2、3キロ落とすと、体が“走れる状態”に変わった。
「3月の代表2連戦で勝負をかける必要があると考え、2月に10日間ほどトレーナーにドイツに来てもらい、体のキレや鋭さを出す練習を積み重ねました。結果、すごく走れるようになった。クラブで挙げた4戦連続ゴールも、その成果だと思います」と彼は言う。
冬のオフ期間を利用して帰国した際、食事を取るタイミングなど食生活面も徹底的に見直した。
「脂モノや消化を邪魔するモノなど一切とらなくなったし、それがうまい具合にはまり、いい感じに体が絞れました」とたゆまぬ努力を続けていたことを明かしてくれた。
欧州2連戦は1分け1敗に終わった。「特別な才能を持っている」と前指揮官がベタ惚れしていた宇佐美が、日本の救世主になってくれれば理想的だ。
(中へつづく)