パワハラ栄氏は至学館大指導 選手蝕む“五輪病”の恐ろしさ
輝かしい五輪での実績から、言いなりにならない選手を脅し、嫌がらせをする。
■倫理観や人間性の欠如
傲慢で勘違いも甚だしい指導者は、即刻レスリング界から追放するべきだが、至学館大のレスリング部員がそうであるように、東京五輪が2年後に迫った今、「本当に怖いのは心の病」と指摘するのは、早大スポーツCSR研究会会長の松野弘氏だ。
「五輪憲章には、『オリンピズムの目標は、あらゆる場でスポーツを人間の調和のとれた発育に役立てることにある。その目的は、人間の尊厳を保つことに重きを置く平和な社会の確立を奨励することにある』と記されている。パワハラという反社会的行為は、五輪精神にも反するものです。ところが、スポーツ関連の商業化が進み、コンプライアンス(法令順守)違反が増加した。カヌー選手が競技仲間の飲み物に禁止薬物を混入した事件も、五輪に出場したいという一心からです。五輪に出たい、メダルを取りたいという強い気持ちは、選手たちの心を蝕むことにもつながる。いうなればそれは、『五輪病』です」
さらに松野氏はこう続ける。