松井大輔<2>「外国人監督には意思を示さないと難しい」
日本代表のハリルホジッチ前監督が27日、記者会見を開いて「コミュニケーション不足を理由に解任されたのは初めて」とロシアW杯を率いることができなかった悔しさをにじませた。「フランスで長年過ごしたハリルさんと日本人は、メンタル的に合わない部分があるのは確か。彼らは主張が凄いですから。日本の選手たちが、その自己主張を(消化して)受けられる処世術を身に付けていたら良かったんですが……」と元日本代表MFの松井大輔(横浜FC)が話を続ける。
「僕は9年間フランスでプレーしましたが、監督は必ず『ウィ・オゥ・ノン(イエスかノーか)?』の答えを求めてくるのが常です。『試合に出たいのか?』『出られる状態なのか?』といった質問には、必ずハッキリ『ウィ』か『ノン』と答えなければダメ。日本人は『行けたら行きます』『多分大丈夫』と曖昧な表現をするけど、彼らはそれを好まない。日本とフランスの美徳が、噛み合わないことは少なくないと思います」
松井が指摘するような意思疎通の齟齬は、ハリル監督と日本選手の間にもしばしば生じたことだろう。ストレートな物言いをする監督。困惑の様子を垣間見せ、明確な意思を示さない選手。それに苛立ちを覚え、指揮官がより高圧的な態度を取ってしまうといった状況は多々あったはずだ。