松井大輔<2>「外国人監督には意思を示さないと難しい」
「そういうタイプの監督とうまくやる処世術を選手側が身に付けていたら良かったのかな……。自分の場合、言葉が分からないうちは、何でも『ウィ』と返事をしていました(笑い)。『ノン』と言えるようになったのは、フランス語が分かり始めた2年目くらいから。もちろん失敗もありましたけど、やっぱり外国人監督相手には意思を明確に示さないと難しい。僕はそう感じています」
ハリル解任という大ナタが振るわれ、西野朗監督が代表指揮官に就任した今、外国人監督招聘論はしばらく出てこないかもしれない。ただ、FIFAランク60位の日本サッカー界が、海外から学ぶべきことはまだまだある。この先、フランス系指揮官を拒絶するのは決していいことではない。
2002年日韓W杯を率いたトルシエ監督は個性派集団をまとめ、16強という成果を収めた。やり方によってはうまくいく可能性もある。ハリルが再来日した今だからこそ、異文化をどう日本のプラスに消化するか、真剣に論じるべきだろう。
「日本人は『この役割じゃないとできない』と自分を制限してしまう傾向がある。だから欧州では(よりアグレッシブな傾向にある)韓国人の方が使いやすいと言われがちです。大事なのは『郷に入れば郷に従え』。環境に適応しつつ、臨機応変にやる力をつけることが、重要だと思います」
松井の意見を参考に、日本代表を担う面々に一層の飛躍を期してほしい。
(この項おわり)