陸連顧問が五輪に警鐘「このままでは人殺しマラソンに」
――そうでしたね。でも、男子がスタートした6時の気温は26度、湿度73%。60人中、途中棄権が24人(女子39人中15人)も出ました。
「そうだ。朝6時スタートは役員も大変だぞ。私はこの大会で3回徹夜した。その東京大会を教訓にせず、東京五輪のマラソンはなぜスタート時間が7時なんだ。先日、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会(前スポーツ局長、現スポーツディレクター)の室伏(広治)さんに会ったとき言ったんだ。『マラソンをもっと勉強してからスタート時間を決めてくれ』とね」
――7時30分だったのが30分繰り上がったわけですが、朝7時で気温が30度を超える日もあります。
「30分の繰り上げなど何の意味もない。そもそもマラソンは冬の競技。今はとてもマラソンをやる気候ではない。しかし、東京で五輪を開催する以上、『暑いからマラソンはやりません』というわけにはいかないからな」
――だから、コースに使用する道路には、一般のアスファルトに比べて路面温度が8度くらい抑えられるという遮熱性舗装をする。これには約100億円近い費用がかかるそうですが、今年の暑さを考えれば、それで対処できるとは思えません。