陸連顧問が五輪に警鐘「このままでは人殺しマラソンに」
――先月開催された国際オリンピック委員会(IOC)の理事会で、五輪の競技日程案は承認されました。
「いいか。マラソンは朝6時、競技時間が3時間半以上に及ぶ50キロ競歩は5時スタートだ。さっきも言ったように、役員の中には徹夜作業になる者もいるだろうが選手のためだ。スタート時間の変更はまだできる。『スポーツは人間の限界に挑戦するもの』といわれている。だが、気温が30度を超える中でマラソンをやるというのは、限界の意味が違うぞ。スタート時間の変更に関しては(東京五輪)組織委員会が検討すべきだ。マラソンは大迫(傑=27)や設楽(悠太=26)、女子も有望な選手が出てきた。この連中に何とかメダルを取ってもらいたいし、外国の選手にもいいレースを見せて欲しい。そのためには朝6時スタートがベストなんだ。私はAIMS(国際マラソン・ディスタンスレース協会)の会長もやった。母国で開催されるオリンピックでマラソン選手を殺すわけにはいかんだろ」
(聞き手=本紙・塙雄一)