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武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

「お客さんが死なないか心配」 錦織圭も憂える東京五輪

公開日: 更新日:

 フラフラになりながら辛勝したノバク・ジョコビッチも、酷暑ルールの適用を受けたひとりだ。

「休憩中に2人ともアイスバスに入った。1分45秒くらい。同じ風呂にじゃないよ。2つ並べられてあるんだ(笑い)」

 冗談を言う顔も弱々しい。試合が遅れたことで悪条件から逃れた錦織はニンマリだ。

「いや、ラッキーでしたね。夜と昼では温度が全然違いますから。昼間は外に出ただけで、フロリダの夏のようだった。どんなルールを作っても天気は無理ですよ。中断すればリズムが崩れるし。全部インドアにして冷房でも効かせないと。勝っていながらやめた選手もいて、気の毒でした」

 この暑さはしばらく続くとかで先行きに不安は残るが、錦織が心配したのはむしろ2年後の東京オリンピックだ。

 大会期間になる7月末から8月上旬の東京が、これ以上の高温、高湿度になるのは火を見るより明らか。

「(東京の暑さは)一番怖いですね。テニスだけでなく、マラソンとか連続運動の選手がどうなるのか。それにしても、ぼくたちは体を鍛えていますから耐えられるけれど、楽しみに見にきてくれるお客さんは知識もなく、体力もない。お客さんが死んじゃうんじゃないかと心配になります」

 1回戦で9人の棄権者は選手にとって重い現実だ。それでも都知事はアスリートファーストだとか、冷たいオシボリでおもてなしなどと言うのだろうか。気が知れない。

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