9月場所は背水の陣 稀勢の里“現役続行”のボーダーラインは
引退か復活か――。
来る9月場所(9日初日)に向け、稽古のペースを上げている横綱稀勢の里(32)。3日は二所ノ関一門の連合稽古で小結の玉鷲を三番稽古で圧倒した。2日には出稽古に赴いた阿武松部屋で、阿武咲に10勝3敗と力を見せつけた。
稀勢の里は、「次に出る場所で覚悟を決める」と明言している。成績次第では引退も濃厚。では、その「覚悟を決める」基準となるのは何か。
ある親方は「もちろん、皆勤して勝ち越せば現役続行に決まっている」と、こう続ける。
「前半戦を何敗で乗り切れるかがカギでしょう。仮に初日から3連敗や4連敗でもしようものなら、その時点で心が折れ、途中休場からの引退会見は避けられない。皆勤しても負け越した場合ですが、そうなると本人は引退する気でも、内容次第では横綱審議委員会や協会が慰留する可能性が高い。慰留されたら、稀勢の里自身も『はい、わかりました』と引退を撤回するでしょうね。いずれにせよ、勝ち星と同じくらい、内容が重視される場所になりますよ」