新守護神に山口俊 “大バクチ”の成否が巨人監督問題を直撃
「高橋はよく見ている。(選手のことを)ひとりひとり、全部、知っている。監督はよくやっている。名監督だよ」
読売新聞グループ本社の渡辺恒雄代表取締役主筆(92)がこう言ったのは、ペナントレースの前半戦終了を間近に控えた7月6日のことだった。読売の最高権力者が、3年契約の最終年を迎えた高橋由伸監督(43)に対する変わらぬ信頼感を口にしたことで、指揮官の来季続投ムードが構築されたのだが、それから2カ月、巨人のチーム状態はさらに悪化している。
渡辺主筆と面談した時点で首位広島に8.5ゲーム差の5位だった成績は、順位こそ3位に浮上したものの、ゲーム差は絶望的な15.5に開いた。4位阪神とは2.5ゲーム差でCS進出も予断を許さない。投手陣、特にリリーフ陣が壊滅状態に陥り、これが球団内で問題視されるようになった。
「由伸監督に来季も続投してもらうという基本方針は変わらないと思う。火中の栗を拾ってもらったという就任の経緯も経緯だし、転換期を迎えているチームをすぐに立て直せるとは上層部も考えていない。ただし、チーム低迷の責任が斎藤(雅樹投手総合)コーチに求められる可能性は出てきた。抑えのカミネロ、セットアッパーのマシソンが相次いで故障で離脱する異常事態とはいえ、リリーフ陣の崩壊を止められていないのは事実。元守護神の沢村も再生できず、先発でも昨年13勝の田口(今季2勝7敗、防御率4.95)を復調させられず、若手も出てこない。斎藤コーチはポスト由伸の最有力候補だったが、それがどうなるか分からなくなってきた」(読売関係者)