ブラジル出身の日系3世 魁聖一郎は霜降り牛に難儀していた
友綱部屋・西前頭筆頭
ブラジル生まれの日系3世。父方の祖父母が日本人だという。
お国柄だけにサッカーが盛んな土地だが、魁聖(31)は興味なし。「みんながやっていたからやっていたけど、うまくなかったし……」とは本人の弁だ。
16歳で相撲に出合うと、国内では敵なし。国内の相撲選手権・無差別級で優勝経験もある。
友綱部屋のタニマチ筋が言う。
「魁聖は『あの頃が一番楽しかった。僕にかなう人なんていませんでしたから』と話していたけど、そりゃあそうだよ。ブラジルは日系人が多いとはいえ、きちんとした相撲を教えられる指導者なんてほとんどいない。みんな、見よう見まねで相撲を取っているだけ。魁聖の腕力と体格があれば、パワーだけで圧倒できるからね。来日したのも、大相撲のビデオを見て、『なんだ、これならいける』と思い込んだから。すぐに勘違いに気づいたけどね」
2006年に来日し、友綱部屋に入門。多くの外国人力士は来日してしばらく、文化や食生活の違いに悩むもの。日本人の祖父母を持つ魁聖も例外ではなかった。